1.湯けむりの宿

作詞:たかたかし
作曲:岡千秋

送る背中が つらいから
わたし始発で 帰ります
湯けむりの
湯けむりの なさけ宿
昨夜あなたに 愛されて
今朝はわかれる いで湯駅

明日が見えない ふたりでも
契(ちぎ)る情けに うそはない
湯けむりの
湯けむりの しのび宿
光る線路の その先は
狭霧(さぎり)流れる いで湯駅

倫(みち)にはずれた 恋だけど
罪はわたしが せおいます
湯けむりの
湯けむりの かくれ宿
胸にあなたの ぬくもりを
抱いて汽車待つ いで湯駅


2.おんな川

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

情どれほど 通わせたって
つらい別れを つれてくる
逢えば短かい
あなた あなた あなたかよい舟
繋ぎとめたい もう一晩(いちや)
あ…流す涙の おんな川

命こがして 抱かれてみても
今朝のあなたは もう他人
すがりつきたい
あなた あなた あなたかえり舟
こんど来るのは いつの日か
あ…夢もつかのま おんな川

いくら好きでも 世間の海を
漕いでゆけない ふたりです
人目忍んで
あなた あなた あなた一夜舟
きれぬ運命に 身をまかせ
あ…恋に流れる おんな川


3.未練の風が吹く

作詞:木下龍太郎
作曲:松原正明

路地のこぼれ灯 拾っても
男ごころは 晴れはせぬ
屋台で今夜も しのび酒
いまもお前は ひとりと聴(き)けば
胸のすき間に 未練の風が吹く

すがるお前の やせた手を
無理に解(ほど)いて うしろ向き
若さがさせたか まよい酒
遠いあの日に 戻(もど)れるならば
逢って詫(わ)びたい 男のわがままを

月に恋しい 面影が
浮かぶ屋台の 暖簾(のれん)越し
苦さが沁(し)みるよ ひとり酒
呑(の)んできっぱり 忘れるはずが
酔えば心に 未練の風が吹く